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論理プログラミング
[EDIT]
OCamlの記事の途中ですが、溜めに溜めたデータをすべて吹っ飛ばしてしまったので、気力が帰ってくるまでほかの記事を、ということで論理プログラミングについて書きながら待つことにします(^^;
最近記事も重くなってきてますし、ちょっと気分転換というか(笑)
論理プログラミングに関する知識はほとんどないので、間違いなどあったら指摘していただければと思います。

論理プログラミングは数理論理学をプログラミングに取り入れ、さらに人工知能と密接に関わっているため、関数型言語以上に異質な存在に映るでしょう。
ある仮説・問題(=命題)について、すでに証明された問題(=定理・前提)で証明できるかをプログラミングで行うということが論理プログラミングの背景にあります。

例えば、コンピュータによって証明された有名な問題として、
ある図形について「隣り合った図形同士は同じ色にならない」という条件の下、できる限り少ない色数で図形を塗り分けるには「4色あれば十分」
という「4色問題」があります。これは過去の経験則から導き出された「5色で塗り分けられる」という前提が活用されました。

論理プログラミングは命題と定理の関係を記述するのに利用されます。例えば「AとはBとCである」とか、「CはDかEの何れかである」といったことを記述するわけですね。
この二つの前提から、「AはDかEの何れかである。これはAがCと等しいからである」ということが導き出せます。命題を証明したり、新しい解を導き出したりするのは自動です。
もうちょっと具体的な例を、論理プログラミング言語の代表格であるPrologのソースコードとともに挙げてみます。

まずは先ほどの例をプログラミングしてみましょう。%のうしろはコメントになります。
%AとはBとCである
a :- b, c.
%CはDかEの何れかである
c :- d.
c :- e.
:- の左辺を頭部(命題)、右辺を本体(すでに証明された命題)と呼びます。
実際のところは関数型言語のように、それぞれの項に付随する情報を書き加えることが多いです。
cat(tama). %tamaはcatである
cat(tom). %tomもcatである
pet(X) :- cat(X) %catはpetである。Xは変数である
ここでPrologに対して、タマはペットかどうか質問してみます。
?- pet(tama).
Yes
Prologがpetはcatであり、catがtamaと結びつけられているかどうかを判断してYesと答えます。つまり逆説的に答えを導き出したことになります。論理プログラミングは「本体がすべて真であれば頭部は真である」という解釈をするため、この辿りかたが普通になります。
今度はペットに誰がいるかを答えさせてみます。
?- pet(X).
X=tama
pet(X)を満たすcat(X)を導き出し、さらにcat(X)を満たす項を見つけてタマを変数Xに代入しました。
一般的なプログラミング言語ではここで終わってしまうでしょう。でもトムもこの条件を満たします。この問題に対応できるよう、論理プログラミングは複数の答えを導き出すことができます。
X=tamaで止まっているところでセミコロンを入力すると、次の答えを導き出します。
X=tama;
X=tom
ほかの答を求める機能を「バックトラック」、複数の答を持ちえることを「非決定性」といいます。

バックトラックについては「やりなおし」という意味合いがあって、先ほどの例では
pet(X)はcat(X)であり、cat(X)を満たすのは最初に見つかるcat(tama)である
でバックトラックを行うとcat(tama)を答えから取り除いて、もういちどcat(X)を満たす項を探してcat(tom)に辿り着いた、という形になります。
Prologは木という表現でデータを保持し、答えを探しています。数学にある木と同じと考えても差し支えありません。
→ pet(X)
 |
cat(X)
/ \
cat(tama) cat(tom)
pet(X)という入力があると、pet(X) = cat(X)であることから矢印が左に移動します。
pet(X)
 |
 → cat(X)
/ \
cat(tama) cat(tom)
さらにcat(X) = cat(tama) or cat(tom)であり、木の辿り方は左に近い方からというルールから、さらに左に移動し、末端であることから答えとして出力します。
pet(X)
 |
  cat(X)
/ \
→ cat(tama) cat(tom)
ここでバックトラックを行うと選択肢からcat(tama)を取り除いて、矢印は一旦上に戻ります。
pet(X)
 |
 → cat(X)
/ \
  cat(tom)
再びcat(X)を満たすものを探し、cat(tom)に辿り着きます。
pet(X)
 |
  cat(X)
/ \
   → cat(tom)
この状態でさらにバックトラックを行うと答えがなくなります。答がなくなってもエラーとしてプログラムを止めることはなく、答が見つからないと表示してユーザの入力を待ちます。

論理プログラミングにおけるもうひとつの重要な機能がユニフィケーションと呼ばれるものです。ユニフィケーションは先ほどの木構造の探索や入力とソースコードの比較、変数への代入など、論理プログラミングを成り立たせるほとんどの処理を行います。ユニフィケーションは次のようなルールの下で処理を行っていきます。
1. 入力された項と定義された項において、項の片方が変数でもう一方が変数でない場合、変数はもう一方の項と同一と見なす(変数への代入)
2. 同様にそれぞれの項において項の両方が変数ならば、両方の変数は同一と見なす
3. それぞれの項がアトム(変数でないもの)の場合、それぞれが完全に一致した場合に成功する
4. それぞれの項が複合項(f(A)という形式)で、引数(括弧の中。アリティという)が同じ形式である場合、すべての要素で1~4のユニフィケーションが成功する場合に成功する

member(X, [X|_]). % Xがリストの先頭要素と同じ場合
member(X, [_|Y]) :- member(X, Y) % それ以外の場合
この定義に対して次のように質問してみます。
?- member(Z, [tama,tom]).
Z=tama
変数Zにtamaが代入されました。

まずひとつめの定義member(X, [X|_])において、入力member(Z, [tama, tom])との関係は
・ZはXと同じものである………ユニフィケーション2
・Xと[tama, tom]についてはXを[tama, tom]とみなす………ユニフィケーション1
・入力と定義は複合項でアリティは互いに変数とリストである………ユニフィケーション4
 - 変数Zと変数Xは同一………ユニフィケーション1
 - リスト[X|_]とリスト[tama, tom]は互いにリストというアトムである………ユニフィケーション3
 - リスト[X|_]とリスト[tama, tom]はX=tama, _=tom………ユニフィケーション2
・アリティの全要素が満されるから複合項もtrueである………ユニフィケーション4が成功
・変数 _ は捨てて、これまでのユニフィケーションの結果からZ=tamaである
という結論に至り出力します。この状態でバックトラックを行うと
・member([X|_])の項から探査木を一段戻る
・ユニフィケーションが成功する次の頭部を探す
 - member(X, [_|Y])とmember(Z, [tama, tom])でユニフィケーションに成功
 - [_|Y]と[tama, tom]は_=tama, Y=tomで、変数 _ は捨てる………ユニフィケーション1
 - 本体がmember(X, Y)であり、_ が捨てられたmember(Z, [tom])とユニフィケーションに成功
・この結果を引き継いでmember(X, [X|_])とmember(Z, [tom])をユニフィケーション
・X=Zで、[X|_]と[tom]はX=tom, _=nil………ユニフィケーション1
・_ を捨ててX=tom、X=ZよりZ=tomである

論理プログラミングに込み入った条件に見合った答えを導き出す機能を付け加えたのが制約論理プログラミングで、制約プログラミングの始祖です。
論理プログラミングの根本的な制約は「ユニフィケーションできるか」だけで、それ以外の制約を付け加えるために制約プログラミングが考案されたということができます。
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モーターのしくみ3- 交流電動機1
[EDIT]
モーターのしくみ、第3回目の今回は交流電動機について解説します。交流電動機は古くから使われているもので、1980年代から鉄道でも導入が進み、今や主力となっています。

交流電動機は直流電動機以上に種類があります。交流電動機を分類するとき、まず入力電源によって以下の2つに分けられます。
・三相交流電動機
・単相交流電動機
この2種類はそれぞれ以下のように細分できます。
・整流子電動機
・誘導電動機
・同期電動機
まず三相交流電動機と単相交流電動機の違いと基本的な動作原理を説明しましょう。

単相交流電動機は入力に単相交流と呼ばれる交流を使います。一番身近な単相交流電源には家庭用コンセントがあります。つまり、家電の多くが単相交流で動いていることになります(例外もたくさんありますが)。
単相交流をコイルに流すと定期的に磁界の向きが変わります。整流子電動機は磁界の向きが交互に変わるだけで回転します。誘導電動機や同期電動機は回転子が特定の速度に達することができれば磁界の向きが変わるだけでも回転を維持できますが、速度0から動かすこと(起動または始動といいます)はできません。そのための工夫が必要になります。

三相交流電動機は入力に三相交流と呼ばれる交流を使います。3本の電線が必要で、それぞれの電線には単相交流が流れています。そしてそれぞれの単相交流は120度の位相差を持たせてあります。単相交流のプラス方向の山が180度、マイナス方向の谷が180度で、山と谷を合わせて360度で現されます。そして電圧0から頂点までが90度です。120度は3本の単相交流のうち2本が電圧0付近で交差するころに1本だけ頂点になる位置です。この頂点のズレを位相差といいます。
電動機に3つ以上のコイルを用意して回転子を取り囲み、それぞれのコイルに三相交流を流すと、界磁電流が最大になったコイルに回転子が引っ張られて回転します。やがて回転方向にあるコイルの界磁電流が最大になると、そのコイルに向かってさらに回転します。これが繰り返されて回転力を得ます。誘導電動機の原理です。それぞれのコイルには電圧が最大になる位置が少しずつずれた交流が最低3系統あるのでこれが実現できます。
単相交流誘導電動機ではコイルをいくつ用意しても電圧は一斉に最大になるので、速度0からは回転できないのです。回転している状態ならコイル2つでも遠心力で電圧が最大になっているコイルに向かっていくことができます。ちなみに1コイルモーターというのはありません。

今回はここまでにします。次回は整流子電動機について解説します。
曲線区間の敷設方法2
[EDIT]
最早レイアウト製作に関係なく曲線区間の敷設方法を学びます。第1回はこちら

反向曲線(はんこうきょくせん)
反向曲線は、単刀直入に言うとS字カーブのことをいいます。反対方向の曲線、ですね。なんとも響きがいいですが、鉄道では厄介者です。突然進行方向が変わるわけですから脱線の危険性が非常に高く、速度も乗り心地も犠牲になります。が、日本は起伏の激しい土地の塊で、簡単に避けられるようなものでもありません。日本でなくても、分岐器を用いると反向曲線がたくさんできあがります。反向曲線では緩和曲線を挿入することはもちろん、10m以上の直線を挿入するよう旧鉄道省で定められました。国産Nスケール(1/150)では66.6mmになります。
車両の性能が上がり高速運転が求められるようになると、反向曲線ができやすい分岐器においては16番を超えるような長大な分岐器を用いるようになりました。

複心曲線(ふくしんきょくせん)
曲線区間を構成する方法のひとつで、中心半径が異なる曲線を複数(大体は2つ)用いたものです。線形は段階的に半径が変わるもので、道床付き線路で緩和曲線として2つの半径のカーブを用いるのも、複心曲線を作りだしているといえます。高速用の長大な分岐器のリード曲線などに用いられています。

全緩和曲線
一方、曲線区間でも全区間を緩和曲線で結ぶ場合があり、これを全緩和曲線といいます。
曲線区間の敷設方法
[EDIT]
モジュールレイアウト製作にあたって復習をかねてみます。

鉄道において曲線区間に線路を敷設するにはいくつものルールがあります。鉄道模型のレイアウト製作でもできるだけこのルールに則って敷設することでリアリティがぐんとアップします。

カント

一番基礎的なルールの1つです。通常、曲線区間にはカントというものを設定します。カントは競輪などでいえばバンクです。高速で曲線区間を通過しようとすると、曲線の外側に向かって力が発生します。例えば投げ縄を作って振り回してみてください。そしてそのまま手を放すと、投げようとしなくてもわずかに飛んでいきます。投げ縄の輪っかに重いものを括りつけていればもっと遠くに飛んでいくでしょう。この遠くに飛ばす力と、振り回している間中輪っかが宙に浮いていられるのが遠心力です。鉄道や自動車などが曲線区間を走行している間でも発生しています。バイクがカーブを走っているとき、車体を曲る方向に傾けますね?こうすることで遠心力と重力のバランスがとれ、カーブが曲りやすくなります。鉄道や自動車のような巨大で重たいものを人力で傾けるわけにはいかないので、地面の方を傾けようというのがカントやバンクです。カントを設けることで制限速度を上げることもできます。このとき、曲線部分でいきなりカントを設けようとすると段差になってかえって危険です。そこで逓減カントといって、カントがなだらかにつくようになっています。
これには例外があって、カントがつけられない内外方以外の分岐器と分岐後基準線か分岐線と並列に戻す部分や、低速で走行するのが前提の側線などでカントがついていないカーブを見ることができます。

模型では脱線するほどの速度で走行しない、むしろ車体が軽すぎてカーブの内側に倒れる危険性があること、横転を回避しようとするとカント量が小さすぎ視覚的効果が得られないといった理由で、長らくは見た目にこだわる人だけがフレキシブルレールを用いてカントを取り入れていましたが、首都圏に構える鉄道模型店「Models IMON」が日本の在来線向け規格「HOj」用に道床付きレールを開発した際、ほとんどのカーブレールにカントをつけて発売しました。道床付きレール普及の立役者、TOMIXがこれを知ってカントレールの開発を視野に入れたという噂がありますが真偽のほどは定かではありません。とはいえユーザからの声は多かったようで、KATOが先行してカントレールを発売、TOMIXは後れを取りながらも単線でも使える仕様で発売しています。IMONではレール自体の重みを利用することでレールを捩り、カントを逓減させるためだけのレールを省略しています。KATO、TOMIXはカントを逓減させるためだけの「アプローチレール」というカーブレールを用意しています。

直線区間との接続方法とカントとの関係

まず一番基礎的なルールです。直線区間から曲線区間に切り替えるに当たって、お互いの区間をなだらかに結ぶ緩和曲線と呼ばれる区間を挿入することになっています。これは、直線から曲線に突然変わると、その場にとどまろうとする慣性の法則と、直進してきた惰性と遠心力が突発的に加わり、直進するかのように脱線してしまうのを防ぐためです。「曲りきれなかった」とはこういうことです。緩和曲線に対して、目標となる半径の曲線は「単曲線」といいます。そして緩和曲線の始まりをBTC、単曲線の始まりをBBC、単曲線の終わりをEBC、緩和曲線の終わりをETCと言います。
緩和曲線についても例外があって、分岐器に含まれる曲線に対しては緩和曲線がありません。また、緩和曲線をどうしても設けられない場合に限り、速度制限を大幅に落したうえで緩和曲線を省略することが可能です。この場合、当然のことながらカントの逓減は直線区間から始めることになります。IMONのカント逓減方法は基本的にこれになります(R700mm台のレールであればポイント返し用のカーブレールで緩和曲線区間でのカント逓減が可能です)

鉄道模型ではカントレール同様、遠心力で脱線するということはまず無いので、やはり見た目にこだわる人だけが取り入れています。道床付きの場合、だいたいは段階的に半径を落していく、という形でしか緩和曲線を挿入することができません。そもそも今では狭い家の中で使うものですから、緩和曲線を入れているとスペースが勿体ないのです。

長くなってきたのでとりあえずここまで。いずれガードレールなどについて触れて締めくくりたいと思います。
模型 - 近況報告
[EDIT]
ほとんど買って積み上げただけですがたまには鉄道模型の方も報告しましょう。写真がないので看板娘たちもお休み(コラ)

まずストラクチャー。
グリーンマックス(GM)のビジネスビルを基×4、増×1で購入。でもフロア数を稼ぐためにL型に組んで、あまりの1F部分はどこかに仕込もうかと画策中。困ったことにそれ以降ずっと眠い日々が続いたんですが、持病の薬を元に戻したらいくらか軽くなりました。
そんなこんなでやっと組立に取り組みました。まあブログを読んでいただければわかる通り色々とやってるんで恐ろしいほどスローペースのままだと思いますが。
で、余りなどから流用した出入り口のガラスパーツ。今回作るのは家電店の予定なので出入り口を開放状態にすべくガリガリとPカッターで切れ目を入れ、適当な頃合いでニッパーで切ろうとしたのが間違いでした。2つも割れてしまいました(泣)

続いてまったく敷設が進まないレール。だいぶ前にATLASの#10片開きを3本、半径71インチ(1803.4mm、実物換算270.5m)の雄大なカーブレール6本入りを1セット輸入。これは見ていて癒されます。
ATLAS #10 R/H
ほかにシノハラのシーサスを2つ、ヤードポイントを1本、3wayを2本、#6DSSを1つ、#6カーブポイントを1本、#8片開きを1本購入。2つ購入したシーサスのうち1つは#6DSSを仕込んでみる予定。元から持っていた#4DSSをSSSに改造してみたり。走るかしら(苦笑)
いじくり倒されたシノハラDSS
TOMIXの製品化速報のページで専用の鉄路柵を仕込んだワイドレールに感動して自分のにもやってみたり。相当出費しました(泣)

後々写真を付け足していきたいです。
電気車の制御方式0 - 目次
[EDIT]

電気鉄道の制御方式に関する記事が増えてきたので、ここを目次として各ページにリンクしておきます。

連載順の目次


電化方式別の目次

直流電化

交流電化

ホームの配置・形状
[EDIT]
制御方式の話をほったらかしたまま別の話をします(笑)
今回は駅についてです。

ひとえに駅といっても駅舎(本屋)の構造、ホームの配置、役割など、いろいろあります。全部を解説することはできないと思いますが、少しずつ記事にしていきたいと思います。
で、今回扱うのは旅客ホームの形状についてです。
ホームとは、駅を構成するもののうち、乗客や貨物が列車に乗ったり降りたり、列車を待ったりする場所のことをいいます。
そのうち、乗客を扱うホームは旅客ホーム、貨物の荷役(積み卸しなど)をするホームは貨物ホームとして区別します。
旅客ホームについては、土地や乗降人員、列車の運行などによっていくつかの形状・配置があります。

※豆知識
ホームも物ですから、数え方があります。ホームは面または本と数えますが、面で数えるのが一般的です。
また、駅の大ざっぱな規模を計るため、通常は線路と一緒に数えます。線路の数え方は線または本で、線で数えるのが一般的です。例えば上りホームと下りホームが向かい合って、その間に複線の線路がある駅では2面2線と数えます。

・単式ホーム
単線の途中駅にあるような、線路1本、ホーム1本の最も単純な構造です。単線に限らず、都会にも存在します。例えば山手線の渋谷駅は向かい合っていないのと扱い上で単式ホームとされています。また、東急田園都市線の桜新町駅も単式ホームです。これは上下線に待避線を設けると土地が足りなくなってしまうため、上り線と下り線を上下に振り分けることで対処したことによります。このような構造を2層式といい、土地の制約が大きい地下鉄で数多く見られます。
単式ホーム

・対向式ホーム
相対式とも呼ばれます。上りホームと下りホームが向かい合って、その間に複線の線路がある駅がこれにあたります。つまり最低限2面2線という構造を要求されます。上下線で客扱いを分離でき、同じ面積でもホームが2つあることで収容能力も2倍になります。反面、ホームを間違うと必ず構内踏切か跨線橋、地下道を渡らなければならず不便ではあります。
対向式ホーム

・島式ホーム
両側を線路に挟まれた構造のホームです。基本的には上下線両方の乗客を捌く必要があるので、それなりのスペースがないと混雑時にホームすれすれを歩かされる羽目に合います。一方で両側を線路に挟まれるため、拡幅工事をするとなると線路まで総取り換えとなり面倒です。ホームは1本なので、設備面でのコストは安価な方です。両側に線路が通っているので、改札に出ようとすると必ず構内踏切か跨線橋、地下道を渡る必要があります。また、ほかの路線のホームを兼ねた場合乗り換えの面では便利ですが、両方の路線が複線だと最低2面4線となるため、かなり広い敷地が要求されます。ほかにもホームを設置するにあたって、その片端か両端の線路をカーブさせる必要があます。高速で通過する駅ではカーブを緩くさせますが、通過速度によっては相当な距離が要求されるという欠点もあります。
島式ホーム島式ホーム2
曲線区間では右図の左側ような広げ方が可能です。一方で右側は、ホームの片側面を削って距離を短縮した例です。両側面を削ることもあります。この場合、すぼめた部分まで車両が来ると、ホームとの間が広く開いてしまう部分ができたり、極端に狭いと安全性に欠けます。一方で、複線間隔が変化する部分までホームの有効長を確保したり、有効長はそのままに、複線間隔を変化させる距離を稼ぐことも可能です。

・頭端式ホーム
線路の一方が行き止まりとなっている構造のホームです。単式・対向式・島式は問いません。日本全国に線路が繋がっているJRではあまり見ることはできません。もともと機関車で発展してきた国鉄がこの構造を嫌った、というのも理由のひとつです。というのも、とくに日本の機関車の場合、進行方向だけに機関車を連結することが多く、行き止まりになっていると折り返すときはバックする必要があり、さらに機回し線を通って機関車を反対側に付け直さなければならないからです。こうなると運行本数を増やす際のボトルネックにもなります。一方、私鉄は電車で発展してきました。必ず列車の両端に運転台があるため折り返しが簡単なので、そこら中で見かけられます。国鉄でも私鉄を買い取った路線を中心に頭端式ホームが存在します。

・櫛形ホーム
文字通りホームが櫛のような形をしたもの、あるいはコの字型で、頭端式ホームの1種です。多くは島式ですが、鶴見線鶴見駅のように、対向式ホームの一端に通路を設けたものもあります。このタイプもやはり国鉄・旅客鉄道各社ではあまり見られません。
何本もあるホームの一端に通路を設けることでホーム間の行き来が楽になるほか、線路1本を2本のホームで挟み込むことで、片側を降車専用、もう片方を乗車専用のように使い分けることができ、混雑時の混乱を無くしたり、両側で乗降を同時に行えば乗降時間の短縮にも繋がります。
この構造ではホームが繋がっていない側の先端に行くのが大変になります。先端の通路をコンコースとして、その先に駅舎を置く構造が多いからです。そのため、橋上駅や高架駅、地下駅、駅ビルとしてホームの途中に出てこれるように改札を設けていることがあります。
海外ではヨーロッパのターミナル駅を中心に広大な櫛形ホームが多く見られます。機関車を使った高速鉄道の駅でも多用されていますが、これはホームの本数に対して発着する列車が少ないため、折り返しに十分な時間を割くことができるからです。
頭端・櫛形・切り欠きホーム

・切り欠きホーム
文字通りホームの一部を切り欠いた形状のもので、L字のようになっています。基本的にホームが広くなっている方に合わせた線路の間に割り込むようにして、狭いホームにも発着します。銚子駅のJR総武本線と銚子電鉄のホームのように、中小私鉄がJRのホームを間借りするようなときに使われます。
ブレーキ方式 -- 電気ブレーキ
[EDIT]
今度は電気ブレーキです。今更解説するまでもないでしょうが気にせずいっちゃいます。

そもそも電気ブレーキとはなにか、というところからはじめましょう。
電気ブレーキというのは、言ってみれば自転車のライト、それも電池式ではなく自己発電式のものに似ています。ライトを点けて走らせるとペダルが重くなってスピードが落ちますね。また、惰性で進もうとしても下り坂じゃなければあっという間に速度が落ちます。
電気車の電気ブレーキも一緒です。ただし、モーターを発電機として使います。
モーターは電気を与えれば回転運動になり、逆に回転運動を与えると発電機になります。

例えば自転車のライトを外して発電機を電池だかコンセントだかの電源に繋ぐと、発電機はぎゅるぎゅると回転します。コンセントに繋ぐのは危ないのでやらないこと!
あるいはミニ四駆のモーターを取り出して電池の代わりにライトを繋ぎ、モーターの軸を回すとライトが光ります。

モーターに流れていた電気を止めて、逆に発電させる。回転エネルギーが電気となって、それが消費されるとブレーキになるわけです。
ちなみに消費してくれるものがないと発電できません。ということは、惰性走行するときは電気を断ち切ってしまえばいいわけです。

モーターの電気を何で消費するか、ということですが、古くは抵抗制御の電気車が加速に使う抵抗器に繋いで消費させます。抵抗制御でなくてもブレーキ専用に抵抗器を積むことがあります。

抵抗器に消費させる代わりに、入力だった回路を逆行させて架線に戻し、他の電気車が加速するときに消費してもらうと回生ブレーキになります。この場合、発電する電圧は架線より高くないと架線に戻ってくれません。電気は電圧が高いところから低いところへ流れるからです。逆に電圧が高すぎると、回生電流を受け取る車両や架線が繋がっている変電所などに悪影響を及ぼすため、架線に戻すことができません。さらに、架線に戻せても近くにいる他の電気車が消費してくれなければ発電できないわけですから、ブレーキとして作用してくれません。これが回生失効です。
この問題を解消する方法としては、架線と繋がっている変電所が回生電力を吸収したり、自車に抵抗器を積んでおいて、回生失効時には抵抗器に繋ぎ換えて発電ブレーキとして減速します。これらの対策をしていない場合は空気ブレーキに頼るしかありません。

予備知識
抑速ブレーキ
長い勾配(連続勾配)を下って行く際、速度が出すぎないようにブレーキを軽くかけますが、その調節はかなり難しく、ブレーキが強すぎたり弱すぎたりしてしまうことはよくあることです。自動車のAT車ではセカンドかLポジションに入れることである程度楽に下っていくことができます。
鉄道でも似た機能として抑速ブレーキがあります。空気ブレーキの場合、下り勾配で使い続けるとブレーキ力が低下するため、電気車の場合は電気ブレーキを使うことでブレーキ力を確保します。
ブレーキ方式 -- 空気ブレーキ
[EDIT]
まだ制御方式の解説が終わっていませんが、鉄道におけるブレーキ方式について数回にわたって解説します。
ブレーキ方式といっても電磁直通~とか全電気指令式~とかの指令方式ではなくディスクブレーキとか電磁吸着ブレーキといった作用方式です。
今回は空気ブレーキです。

空気ブレーキは基礎ブレーキや機械ブレーキとも呼ばれ、電気ブレーキが普及した現在でも使われ続けている方式です。というのも、例えば回生ブレーキが失効したときに発電ブレーキに切り替えることができない場合は空気ブレーキでなければ減速できません。また、非常ブレーキは強力な制動力、すなわちブレーキ能力が要求されますが、空気ブレーキは電気ブレーキより強い制動力を持ちます。電気ブレーキは減速しかできないので、停車中の車両が何らかの理由で走りだしてしまうことを防ぐためにも空気ブレーキは欠かせません。また、省令で2系統のブレーキを備えるよう義務づけられていることも空気ブレーキを使い続けている理由のひとつです。
一般的な空気ブレーキには踏面ブレーキとディスクブレーキがあります。
踏面ブレーキ
踏面ブレーキは制輪子(ブレーキシュー)を直接車輪に押し当ててブレーキをかける方式で、車輪の両側から押し付ける両抱き式と、片側から押し付ける片押し式(写真)とがあります。最も古典的ながら現在も主流の方式です。
制輪子には鋳鉄製、レジン製とがあり、鋳鉄製の場合は鉄同士が擦れるため、シャリシャリという音が聞こえることもあります。
踏面ブレーキでは制輪子が車輪を擦るため車輪に付いた異物を取り除くことができ、雪の日は軽く制輪子を押し当てて雪を取り除く「耐雪ブレーキ」が行えます。逆にこれをしないと雪の塊が邪魔をして制動力を低下させてしまいます。
踏面ブレーキの欠点としては、車輪自体を擦るため、車輪の寿命が短くなるなどが挙げられます。

ディスクブレーキは車輪の外側や内側に円盤(ディスクローター)を取り付け、それを挟み込むように制輪子を押し付ける方式です。踏面ブレーキより強力な制動力を得られ、車輪の摩耗もないといった利点がありますが、車輪が汚れたままになるため、とくに雪が付着したときのスリップを防ぐためには清掃装置や踏面ブレーキを併用(下写真赤枠)するなどの対策が必要となってきます。ただしディスクローター自体に雪が付着することはあまりないため、雪のせいで制動力が低下するということは滅多に起きません。
ディスクブレーキ
ディスクはパイオニアIII台車や相鉄の9000系までのようにディスクを車輪の外側につける方式(下写真)と、現在主流になっている、車輪の内側にディスクをつける方式(上写真白枠)とがあります。内側に取り付けるものはモーターと干渉することがあるため電動車に用いることはできません。外側に取り付けるものはパイオニアIII台車でよく見られましたが最近はあまり見られません。JRでは高速運転をする681系に採用されていますが、外側取り付けとした理由は不明です。最新では広島電鉄のGreen mover maxこと5100形の付随台車です。
相鉄8000系アウターローター台車


※予備知識
勾配起動

地形の関係でホームを傾斜させなければならない場合や何らかの理由で勾配の途中で停車したあと、発車する際に勾配を下っていかないよう、ブレーキをかけつつ加速する処置を勾配起動といいます。2ハンドル式ではブレーキとマスコンが独立しているため、車両側に装置などを取り付けることなく勾配起動が行えますが、1ハンドル式の場合は勾配起動を行えるように設計しなければなりません。多くの場合、運転台には勾配起動を行うためのスイッチが設けられ、発車する前にスイッチを入れてから加速します。

国鉄・JRにおける列車種別
[EDIT]
ちょっとした覚書です...

普通・緩行線:乗車券のみで利用できる列車。すべての駅に停車する。
       緩行線は複々線化に伴い普通と快速が分離した路線のこと。
快速・快速線:乗車券のみで利用できる速達列車。快速線は普通と快速が分離した路線で
       快速線に建設されたすべての駅に停車するが、緩行線と比べると駅数が
       少ない。
特別快速  :特快とも。快速の上位種別ではあるが私鉄の無料特急の対抗馬であるため
       乗車券のみで利用できる。西日本の新快速もほぼ同義。
準急    :現在設定なし。乗車券の他に速達面に課金する必要があった(準急料金)。
       ただし戦前は準急料金がなかった。後に営業キロ100kmを
       超えて利用する場合急行料金と同額とし、準急は100km以内に限定され、
       昭和43年のダイヤ改正(いわゆるヨン・サン・トオ)時に急行に統合され
       消滅。
急行    :乗車券の他に速達面・サービス面に課金する必要がある(急行料金)。
       かつては急行形と呼ばれる車両が用意された。
       後に急行料金が不要な速達列車が設定され、当初これは急行電車として
       区別したが、混乱を避けるため快速列車に変更された。
       新幹線が普及すると同時に急行形車両の老朽化が重なり、特急への格上げか
       快速や普通への格下げ、あるいは廃止となった列車が多い。現存は
       夜行のみ。
特急    :乗車券の他に速達・サービス面に課金する特急券が必要な速達列車。
       最も少ない駅数が設定され、快適な移動も約束される。
コンビニのPASMO/Suica対応状況
[EDIT]
東日本地区においてはスリーエフ辺りからでしょうか、コンビニエンスストアがSuicaとPASMOへの対応が進んでいます。
その対応状況を個人的にメモしておきます。

ローソン ◎ 東日本地区全域導入完了(ナチュラルローソン/ローソン100除く)
セブンイレブン × 自社電子マネー「ナナコ」のみ推進
サークルケーサンクス - 近隣に店舗なし
am/pm ○
ファミリーマート ○
スリーエフ ○ 引っ越す前から導入済み
ミニストップ ○
デイリーヤマザキ ○ エキナカ店舗含む
鉄道の性能を知る -- 起動加速度
[EDIT]
またしても脇道にそれてしまいますが...
今回は鉄道の性能指標のひとつである起動加速度について触れてみたいと思います。

起動加速度は起動時、つまり速度0の状態から1秒間に時速何キロまで加速するかを示すもので、とくに平坦な場所における値から導き出されます。主に電車の低速~中速における性能指標として用いられます。
一般に駅間の短い通勤電車や地下鉄、路面電車においては加減速を繰り返すため3.0km/h/s(キロメートル毎時毎秒)前後という高い加速度が設定されています。逆に、特急車では起動加速度よりも高速での性能を高くとるように設計されています。
電車ではこの起動加速度をどのくらいの速度まで維持できるかという「定加速領域」とあわせて基本性能を表します。

日本でもっとも高い加速度は阪神電鉄のジェットカーこと5001形などの4.5km/h/sです。
同じジェットカーでもVVVF制御となった5500系は4.0km/h/sになっています。こちらは定加速領域を拡大することで所要時間に影響が出ないようにしています。

関東ではどうかというと、かつて東急7000系や旧営団3000系で4.0をマーク、現在もっとも高いのは京急の3.7、次いで京成AE100形や3700形、東急1000系の3.5、地下鉄の多くは3.3に設定されています(例外は大江戸線の3.0、横浜市営地下鉄の3.2)。とくに、京成のAE100形は有料特急車としては非常に高くなっています(通常は2.0近傍)。
大阪市営地下鉄では、地下鉄としては低い2.5が多く、最高が御堂筋線と中央線の3.0、次いで堺筋線の2.8となっています。

逆に世界的に見ると日本の通勤電車の起動加速度は高い部類になります。平坦な地形が少なく、駅間が短い日本らしいといえるでしょう。
眠気解消法を探る
[EDIT]
しばらくぶりです~。
ココロさんがいいネタを振ってくれたので久方ぶりの更新です(笑)
そのネタが今回のタイトルにある「眠気解消法」です。

1年くらい前まで読んでいた漫画雑誌の読者投稿に結構「眠い」という呟きが見受けられました。
また、つい最近になって新しい眠気解消ドリンクが発売されたことから、いつでも眠いという人は今でも結構多いんではないでしょうか。かくいう自分もその一人で(笑)、前々から書こうと思いつつ機会を逃していました。
ネタを振ってくれたココロさんはペンで手をつつくそうですが、自分には効果はなさそうです(苦笑)。
で、自分があれこれ調べたり試したものの紹介と感想を書いてみたので眉唾でご笑覧ください。

まずコーヒーや濃い紅茶などカフェインの多い飲み物を飲む、カフェイン剤を摂取する。
一番オーソドックスだと思います。ところがこのカフェイン、摂取した状態に合わせて交感神経も副交感神経も刺激するそうです。リラックスしているときには副交感神経を活性化するらしく、つまり、眠いときにコーヒーを飲んだところで一層眠気が増してしまうことの方が多くなります。
また、摂取する時間帯によっても効果が違うようです。個人差はあると思いますが、だいたい夜9時~10時に摂取するといいみたいです。逆に言えば、徹夜したいわけでもないのにこの時間帯にコーヒーなどを飲むと朝まで眠れなくて、朝になって眠くなってきてしまうという困った事態に陥ってしまうわけです。
それと、強いカフェインを摂ると体調を崩す方(自分もですが)はできれば避けた方がいいです。経験上精神安定剤で回避できるようですが保証はできません。
個人的には摂取のタイミングに難があると思いますが、うまくいけば持続力も効果も一番だと思います。
カフェイン剤についてはエスエス製薬エスタロンモカ錠と、つい最近登場したハウス食品メガシャキを愛用。前者は1錠当たり100mg含有されています。姉妹品?のエスタロンモカ12錠では200mg含有でコーヒー3~4杯分ということなので、1.5~2杯分になります。少ないですが、カフェインは劇薬指定なので多ければいいというものでもありませんし、当たり前ですが同12錠よりリーズナブルなのが嬉しいところです。
メガシャキも眠眠打破、強強打破よりリーズナブルで、リンゴ、レモン果汁入りの炭酸なので飲みやすく、その刺激も名前通り気分をシャキッとさせてくれます。トウガラシやショウガエキスも一時的ながらいい刺激をもたらしてくれます。
カフェインは3時間程度で血中濃度が半減するそうですが、あまり頻繁に摂取すると危険です。

続いてミントの香りを嗅ぐ。
ミントの爽かな香りで気分がリフレッシュして眠気が覚めるそうな。
ポイントは、あまり長時間嗅がないことだそうです。また香りが強めのペパーミントかl-メントールの方が良いでしょう。
ミント臭が苦手でなければ副作用もなく安全です。
個人的には持続力に難あり。

ミントタブレットと冷水を飲む
ミントタブレットをかみ砕いて冷水を飲むと口の中に強烈な冷たさが感じられます。その冷たさで眠気が覚めるらしいのですが...自分には効果なし。

手や首筋を冷やす。
温度に敏感な首筋や手、末梢神経を冷やすことでも眠気が覚めます。氷とかだと効果がアップできますが、これも持続力に難ありです。タオルに保冷剤を包んで首に巻き付ければそこそこイケるかもしれません。

フェイシャルペーパーで顔を拭く。
多くのフェイシャルペーパーに含まれるエタノールの気化熱効果でひんやり冷えて眠気を覚ますというもの。とくに目の回りを集中的に拭いたり、鼻から香りを吸い込む、首回りを拭くことでより効果がアップします。瞬間的には効果があるものの、やはり持続力に欠けるかも。
アルコール臭が苦手な人には向きませんが、当然ながら酔うほどの濃度ではないのでご安心を。

何れにせよカフェインの摂取とその他の方法を併用するのが一番よさそうです。
乗り越し分岐器
[EDIT]
今回も豆知識編です。

さて、みなさんはこんなポイント(以下、正式名称の分岐器を使用)を見たことはないでしょうか。構造が全然違うし、二股になる部分の片方に隙間がない。トングレールも離れていれば錆びきっていて使えそうにない。まるで昔使われていた分岐器の残骸のようにも見えます。

乗り越し分岐器1

実はこれでも現役で使われているもので、「乗り越し分岐器」と呼ばれます。用途は2つ。

主に保線用車両が止まっている付近で見かけると思いますが、保線車両が本線(営業列車が通る線路)に出て(このことを「本線を横取りする」などと言います)点検したりするときに使われます。こちらには直角交差になっているものもあって、保線機械を乗っけた台車が本線のレールに乗り上げながら末端まで出てきて、保線機械は本線の進行方向を向いているのでそのまま前後進して本線に出て行きます。

乗り越しクロッシング

もう一つの用途は、万一列車が信号無視して副本線(追い越し待ちをする本線)などから主本線(優等列車や追い越し待ちがない列車が通る本線)に突っ込まないように、副本線側の信号が赤の間は分岐側に誘導するようになっていて、暴走してきた列車を主本線から逃がすように誘導して脱線させるときに使います。この脱線させる方を「安全側線」、略して安側といいます。この用途で普通の分岐器を使うこともあるようです。
ちなみに、安全側線用乗り越し分岐器のみ脱線方向が定位(普段開通している方向)です。
もし用地の都合で誘導用の側線を設けることができない場合、脱線転轍機と呼ばれる物を使います。乗り越し分岐器や普通分岐器のポイント部だけでできたもので、フログもなければその先のレールすらありません。
保線車両などでは代わりに車輪止めか脱線器と呼ばれるものが取り付けられていることがあります。前者は木製のストッパーをレールにかぶせて転動を食止めるもの、後者はフランジを誘導して脱線させる器具をレールにかぶせます。

乗り越し分岐器 2 安全側線用

この写真では行き違いができる単線で、単線に戻るとき万一対向列車が来ていたときに備えて、単線に戻る直前に設置されています。

この乗り越し分岐器には大別して手動式と自動式があって、先に上げたものは安全側線でよく使われる自動式です。その動力は電動や油圧などです。
これが本線を横取りするときは本線と平行して並んでいるレールが普通のポイントのように動きます。普通と違うところは、外側にあるレールが本線のレールに覆いかぶさって渡り板になることです。このレール、正式には横取り装置と呼ばれます。普通の分岐器で言うなら、ポイント部を指して「横取り装置」、横取り装置を使用した分岐器全体を指して「乗り越し分岐器」と呼ぶ、ということになります。フログにあたる部分や直角交差は「乗り越しクロッシング」と呼びます。
横取り装置が覆いかぶさることで車輪を持ち上げ、フランジをレールより高い位置に持ち上げて安全に通過できるようになっています。

乗り越し分岐器 3 定位側

乗り越し分岐器 4 安全側線用横取り装置アップ 反位側

フログにあたる部分も横取り装置が被さるものがありますが(最初の写真)、安全側線の場合はどの道脱線してしまうので、コスト削減のためか上の写真のようにフログ用の横取り装置を設けていないことが多いようです。

手動式は作業員が分岐器脇にある白かったり錆色だったりする鉄板状の横取り装置をバネでひっくり返して本線に被せます。大抵はフログ部分にも横取り装置が設置されています。普段は南京錠でロックされていて、簡単には外せません。

乗り越し分岐器 5 手動式

こちらは横取り装置が相当高く、フログ部分の横取り装置(下の写真の緑で囲ったところ)付近のレールがこんもりと盛り上がっているのが特徴です(下の写真で赤く囲ったところ)。

乗り越し分岐器 説明用

なかには普段横取り装置となるレールが取り外されていて、必要時に取り付ける、という超古典的なものが存在するようです。

リンク先:oomatipark様サイト「レイルエンヂニアリング」

手動式の場合大抵は保線車両の横取りに使用するもので、保線車両が通過し終わるや否や、すぐさま横取り装置を元に戻してロックしてしまいます。ゆえに営業運転が終わった後でないと使用している様子を見ることはできません。ちょうど使っている最中でも大抵は暗く、保線車両や作業員が壁になって見ることは難しいでしょう。作業も保線車両がぎりぎりのところまで来てから手早く行うのであっという間です。
一方、元に戻し忘れると営業列車が横取り装置に乗り上げて脱線、という事故に繋がってしまいます。
時速5キロでないと安全に通過できないところへ何十キロも速度オーバーして突っ込むわけですから被害は甚大でしょう。
全電気ブレーキについて
[EDIT]
えーと、4象限チョッパなどはまだ勉強不足なので、またしても寄り道です。
今回は最近流行の全電気ブレーキについて解説します。

回生ブレーキ(詳細は他のサイトに譲ります)はVVVFの登場によって5~3km/h程度まで安定して使用することができるようになりました。
ベクトル制御が一般的になると回生ブレーキの有効範囲は1km/hくらいにまで延びました。
そこからさらに、回生失効する頃から停車に至るまで、空気ブレーキを緩めにかけたまま電気的にブレーキの補助を行うことで、ほぼ停車してから空気ブレーキの圧力を上げることで停車時のショックを和らげられるようになりました。それまでは回生が失効した途端に空気ブレーキを強くかけるため、つんのめるようになってしまうという問題がありました。
この電気的な補助ブレーキを全電気ブレーキと呼んでいます。

ちなみに、三菱の全電気ブレーキは「純電気ブレーキ」という商品名が使われています(ただし商標未登録)。
実はいわゆるマスゴミや三菱電機の「全電気指令式ブレーキと紛らわしい」などという無茶苦茶な刷り込みが激しく、純電気ブレーキの方が浸透してしまっているようです。ちなみに全電気指令式ブレーキの正式名称は「電気指令式ブレーキ」で「全」などという文字が付くのは商品名だけです。しかし鉄道関係者の間ではどのみち型名で呼ぶので間違いようがないのです。
当ブログおよびサイトは「ちょっと鉄道に興味がある」という初心者の方々をターゲットとしているため「純粋な電気ブレーキ?回生ブレーキや発電ブレーキは純粋じゃないの?」という余計な混乱を招かないためにも三菱の物以外は一貫して全電気ブレーキという呼称を使用するということを声をにしてここに宣言します

閑話休題。
全電気ブレーキの作用方式は各社で異なりますが、とくに特徴的なのは日立の「直流印可」方式でしょう。

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さくらゆーな

Author:さくらゆーな
鉄道熱が再燃して、撮影に模型にいろいろやってます。
最近反核運動に偏ってるのを反省したいけど
知れば知るほど極悪非道な界隈で止まらない…

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