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電車の制御方式 3
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界磁チョッパとは順番が前後してしまいましたが、今回は電機子チョッパについて解説します。

前回解説した界磁チョッパは文字通りモーターの界磁をチョッパ制御しました(固定子側の界磁ではありませんが)。電機子チョッパも読んで字の如くで、モーターの電機子をチョッパ制御する方式です。
電機子チョッパ制御の基本は、電機子に流れる電気の電圧を、抵抗器を使わずに制御することで速度制御を行います。

まずは電機子チョッパの解説の前にチョッパ制御について詳しく触れましょう。
前回で、サイリスタなどの無接点スイッチによって電流をON/OFF(スイッチング)することで平均電圧を制御する、と説明しました。そして、電流のON時間を長くとれば平均電圧が上がり、短くすると平均電圧が下がりました。
ではどのようにして調整するか。
電流のON時間を長くしたり短くしたりするにはPWM制御という波形制御技術が必要です。
PWMとはPulse Width Modulationの略で、日本語ではパルス幅変調といいます。パルス(細かくぶつ切りにされたもの)の幅を調整する、ということになります。チョッパ制御でのパルスとは電流がONになっている状態のことなので、〈パルス幅=電流ONの長さ〉を調整するわけです。
PWM制御を行うにはコンピュータによってどのようなタイミングでどのような幅のパルスを作るかを制御し、実際のON/OFFはスイッチング素子と呼ばれる半導体素子で行います。つまり、コンピュータと半導体技術なしにはチョッパ制御はできないのです。
コンピュータにはこのPWM制御を行うためのプログラム(ソフトウェア)が備わっています。
コンピュータは電気車の加減速に合わせて必要な電圧が得られるようなパルス幅を選択してスイッチを制御します。


さて、本題の電機子チョッパ制御の話に戻りましょう。
前回、電圧を上げるには電流のON時間を長くし、短くすると平均電圧が下がると説明しました。
例えば、ONとOFFの割合を合計すると10になるとしましょう。
スイッチング素子から出力されるパルス電流の電圧は常に架線電圧と同じです(緑帯)。その状態で平均電圧(青線)を半分以下に下げたいときはON時間(T2)を5以下、OFF時間(T1)を5以上にします。例えばON : OFFを4 : 6とすれば、平均電圧は4/6つまり2/3になります。反対に電圧を3/2にするならON : OFFを6 : 4にします。電機子チョッパ制御ではこれをPWMで制御します。
PWM
この図では周波数が変化していますが、電機子チョッパでは基本的に一定の周波数で動作します。

実際には電流のON / OFFだけでは急激な電流の変化が電動機に負担をかけるので、電動機とチョッパ装置の間に分路を設け、閉回路という電気の出入り口がない回路を構成し、電動機に、直列にリアクトルと呼ばれるコイルの一種を接続します。分路にはダイオードを挿入して逆方向から電気が入ってこないようにします。
この回路のサイリスタをONにしてパンタグラフから電流を流すとリアクトルは充電を始めます。電流はリアクトルとチョッパ装置を通過してレール、そして出口となる地面に流れます。パンタグラフから地面へと電流の通り道(回路)ができたことになり、電動機にも電流が流れます(下図左上)。

サイリスタをOFFにするとパンタグラフから電動機、チョッパ装置、そして地面というメインの回路には電流が流れなくなります。
一方で、ONのときにリアクトルが充電していた電気を流し始めます。サイリスタがOFFなので手前の分岐点から閉回路に流れていきます。閉回路は電動機の入力端子側の回路に繋がっているため電動機に流れ込みます。
リアクトルが充電できる電気は弱いので、架線電圧より弱い電気が流れていきます。その電気はさらに電動機で消費されるので、リアクトルでも十分に充電できず、徐々に電気を失っていきます。
電気が0になる前には再びサイリスタがONになるので、電動機には常に電流が流れていることになります(下図左下)。
電機子チョッパ回路

電機子チョッパ制御はこれを利用して電動機、とくに電機子にかかる電圧を制御します。つまり抵抗器の代わりにチョッパ装置で電圧を変えてやるのです。
前述の通り電圧は上げること(昇圧)も下げること(降圧)も可能なので、加速時は徐々に昇圧、制動時は徐々に降圧、同時に界磁磁束を強めてやればよいわけです。
電機子チョッパ制御ではコンピュータによって安定した制動力と逆起電力を作り出せるため、時速で一桁くらいまで回生制動を維持できます。
電機子チョッパ制御は基本的に抵抗器をもたないので、走行時も制動時もほとんど発熱しません。そのため、熱がこもりやすい地下鉄を中心に採用されました。

日本で初めて電機子チョッパ制御の実車試験を行ったのは営団2000形で、1965年のことになります。その後3000系を用いて直流1500Vでの実車試験を行い、その結果を反映させた6000系が、世界で2番目に電機子チョッパ制御を実用化しました。
1番最初に実用化したのは阪神電鉄の7001形および7101形でした。しかしこちらはメンテナンス性を考慮して、力行時のみチョッパ制御という方法でした。それに対して営団6000系は回生制動も含めて実用化しています。

その後営団(現東京メトロ)は、界磁コイルを追加して自動的に界磁を連続制御するAVFチョッパ方式(Auto Variable Field control=自動可変界磁)、高周波分巻チョッパ制御(4象限チョッパ)へと発展させていきました。
また、東武ではAFEチョッパ方式(Auto Field Excite control=自動界磁励磁制御)によって複巻電動機を制御する方式が導入されますが、その後の東武含め、私鉄では安価な界磁チョッパ制御を採用することの方が多かったようです。
一方の営団は電機子チョッパ制御に固執し、VVVF制御が主流になってからも千代田線の直通相手である国鉄のVVVF車、207系900番台の製造コストからVVVFの導入に消極的になり、1992年の06系や07系の登場まではほとんど本格的な導入にはいたっていません。

ちなみに、営団6000系は第10編成までスイッチング素子は逆阻止サイリスタと呼ばれるものでした。
その後転流回路を簡素化した逆導通サイリスタ(RCT)が採用され、電機子チョッパ制御の主流となります。後のVVVFインバータでも開発途上で用いられました。2009年2月現在は札幌市交8510形列でRCTのVVVF路面電車が走っています。
やがてGTOサイリスタが普及期を迎えると、チョッパ制御でもごく一部でGTOサイリスタを用いるようになります。



今回はここまでとします。次回は高周波分巻チョッパ制御を、続いて界磁添加励磁制御、最後に界磁位相制御を解説して締めくくりたいと思います。
VVVFについては本家で解説しています。また交流電気車の制御方法は今のところ解説する予定はありません。
 

 
余談ですが、チョッパ制御のスイッチング素子にはサイリスタと呼ばれるものを用いています。
コンピュータが電流ON部分を見つけると、サイリスタのゲート端子と呼ばれる部分に微細電流(ゲート信号)を流します。ゲート端子は文字通り電流のゲートで、電流を遮断するかどうかを司ります。サイリスタはゲート端子からカソード(出力端子)方向への電流を受けると、絶縁体(電気を通さないもの)から導体(電気を通すもの)に性質が変わり、アノード(入力端子)にかかった電流がゲート信号につられてカソードへ向けて流れていきます(このように、導体にも絶縁体にもなるものを半導体といいます)。
一度アノードからカソードへ通電すると、ゲート信号をOFFにしても電流は流れ続けます。
電流自体をOFF(ターンオフ)にするときはサイリスタに流れている電流を止める、またはカソードからアノードに向けて電流を流します。

電機子チョッパで用いられた他のサイリスタにしても基本は同じで、いかにしてOFFにするかが違うだけといっても過言ではないので、基本的なサイリスタの動作さえ理解できれば十分です。

この辺は本家「VVVFとは?」の「VVVFの前に」で解説しています。
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